
気動
完結気動
白い背景の上で、ひとつの人の形が繊細な線の舞いの中で分解され、再び組み立てられていく。筆致は時に一本の線となり、時に多彩な色を帯びながら、休むことなく流れる形を描いては消し、消してはまた描く。線は輪郭を生み出し、身体の断片を浮かび上がらせ、次の瞬間にはそれを溶かして新たな動きへと変えていく。
中村重信の音楽がこの抽象アニメーションを包み込み、絶え間なく動く線の連なりが催眠的な視覚の振付を生み出す。音楽と線は互いに寄り添いながら、静止することのないリズムを画面上に刻んでいく。
物語も明確な人物も存在しない本作は、筆致と色彩の純粋な美学に身を委ねるよう観る者を誘う。線が生まれ、形がほどけ、また新たな線が流れ出す。その繰り返しの中に、見る者それぞれの感覚が映し出されていく。