鴉
完結鴉
カラスを映した映像と、京都の風景をタイムラプスで捉えた場面を交錯させる実験映画である。色彩の点滅と、松尾桜尾によるテープコラージュの技法によって、不穏な空気が作品全体を覆っている。
繰り返し現れるカラスは象徴として機能し、自然と都市という異なる要素の並置を通じて、不気味さを探る映像表現の軸となっている。従来の筋書きは存在せず、反復と歪みが次第に高まる不快感を生み出し、観る者を感覚的な体験へと沈めていく。
本作は物語を語るのではなく、映像と音の断片を積み重ねることで、見る者の内側にじわじわと広がる不安を描き出す。カラスの姿と京都の街並みが交差するたびに、日常の風景が異質なものへと変容していく。