
怪獣がやってくる
完結怪獣がやってくる
ある動物園で、動物たちは「怪獣がやってくる」という知らせを耳にする。その知らせは、伝言ゲームのように一匹から別の一匹へと伝わっていく。口から口へと渡るたびに、怪獣の姿かたちや大きさ、鳴き声などの描写は少しずつ歪み、尾ひれがついていく。
噂は動物たちのあいだでどんどん膨らみ、彼らはそれぞれに、これまで見たこともないような奇妙で恐ろしい怪物の姿を想像し始める。不安と好奇心が入り混じり、園内はざわめきに包まれる。
しかし、ついにその怪獣が姿を現したとき、動物たちが目にしたのは想像とはまったく異なる、ごく普通の動物だった。その生き物は特に騒ぎを起こすでもなく、動物園の展示の仲間に加わるのだった。