
幾多の北
完結幾多の北
すべてが北である広大で孤独な風景の中、ひとりの旅人が見分けのつかないそれらの土地を歩き、さまざまな人々と出会う。しかし彼の記憶は断片化しており、出会いの本質をとどめておくことができない。その経験は、儚い存在たちの夢のような記録となっていく。
旅を続けるうちに、彼は自分の旅の目的に疑問を抱き始め、その努力が無駄かもしれないと感じるようになる。ただひとつ残る確かなものは、ゆっくりと形を変えながら現実の認識を形づくっていく鈍い痛みを通して、世界の存在をときおり認めることだけだった。
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