Ikite Iru
完結九歳のツヨシは、家で友達と遊んでいた。夢中になって騒いでいるうちに、部屋に飾ってあった母親の写真が倒れ、ガラスが割れてしまう。写真には、赤ん坊を抱いた母親の姿が写っていた。ツヨシが割れた写真を手に取り裏返すと、そこには自分が生まれる二年前の日付が記されている。見覚えのない赤ん坊の存在に、ツヨシは強い違和感を覚える。
その夜、ツヨシは父親に「この子は誰なのか」と尋ねる。父親はしばらく黙った後、生まれてすぐに亡くなった兄の話を静かに語り始めた。家族にとって忘れがたい出来事であり、これまであえて話さなかったことだった。
父親の言葉を通して、ツヨシは自分がここに生きていることの重みと、命の尊さを少しずつ理解していく。兄の存在を知った少年の心に、静かな変化が訪れる。