
Ice Rink
完結少年と少女の二人は、一般公開前のアイスリンクの前で待っていた。朝の冷気に包まれながら、他愛のない軽やかな会話を交わすうちに、それはいつしか共有された夢想の入り口となる。まどろみの中で現実の輪郭は溶け、色鮮やかな動物やありえない形の昆虫、幻想的な生き物たちが当てもなく舞い踊る行列へと姿を変えていく。不条理な思いつきや答えのない問いが散りばめられた会話は、時間が止まったかのように途切れることなく続く。
急ぐ必要も、目指す場所もない。ただ、あふれ出る想像力を分かち合う喜びだけがあり、論理は消え去り、日常はシュルレアリスムの美しさを湛えた光景へと変貌する。まだ誰もいないアイスリンクは、この白昼夢にふさわしい舞台となる。現実と幻想が無理なく絡み合う、心地よい避難所として。