
ヒロシマへの旅
完結ヒロシマへの旅
高校生のカズキは、夏休みを叔母と過ごすため、新幹線で広島へと旅立つ。駅に降り立つと、整然とした街並みと行き交う人々の日常が広がっており、その穏やかな光景は、この街が背負う歴史の重みと静かな対照をなしていた。
滞在中、叔母はカズキに、原子爆弾が投下されたあの日のことを語り始める。焼け野原となった街、失われた命、そして生き延びた者たちの苦しみ。彼女自身が経験した過酷な試練を聞くうちに、カズキはこれまで教科書でしか知らなかった戦争の現実を、初めて身近なものとして感じ取っていく。
叔母の言葉を通して、カズキは平和が決して当たり前のものではなく、多くの犠牲の上に築かれたものであることを学ぶ。そして、大切な人を失った悲しみと向き合いながら生きる勇気の意味を、少しずつ理解し始めるのだった。