
陽だまりの樹
完結陽だまりの樹
江戸時代後期、小石川に暮らす二人の若者がいた。伊武谷万二郎は下級武士であり、剣の腕は立つが、武士としての誇りと生き方を頑なに守ろうとする男である。一方、手塚良庵は医学を学ぶ学生で、飄々とした性格ながら、日本に入り始めた西洋医学に強い情熱を抱いていた。\n\n徳川幕府が終焉を迎えようとする動乱の時代、社会と政治が大きく揺れ動く中で、伊武谷は消えゆくかに見える武士の生き様を貫こうとし、手塚は既存の常識を覆す新しい学問に自らの道を切り開こうとする。\n\n対照的な二人の若者の人生が、時代の激流の中で交差していく。