
春をよぶ夢
完結春をよぶ夢
冬の真っただ中、好奇心旺盛な少年が野原へ散歩に出かける。歩きながら、彼は周囲の小さな変化に気づき始める。雪の間から最初の緑の芽が顔を出し、空気は和らぎ、鳥たちが戻ってくる。やがて風景は少しずつ姿を変え、花が咲き、木々は葉を茂らせ、陽の光は暖かさを増していく。少年は、春が突然訪れたかのようにすべてが色と命にあふれていく様子を、驚きながら見つめる。
しかし、夢が消えると、少年は目を覚まし、すべてが幻だったことに気づく。冬はまだ盛りで、雪が地面を覆い、寒さは続いている。彼が見たと思った春は想像の中にしか存在せず、いつか本当に春が来ることを願う気持ちだけが残る。