グッド・喪ーニング
完結グッド・喪ーニング
34歳の長谷川恵子は、生まれ育った小さな町の葬儀社で働いている。思い描いていた人生ではないが、悪くもない。事務処理、悲しみに暮れる遺族、式の準備に追われる日々。毎日は同じことの繰り返しで、彼女はそれを淡々と受け入れている。それでも、何か違うものへの漠然とした憧れが心の片隅にあった。
ある日、上司から極めて奇妙な葬儀を任される。故人も、その死を取り巻く状況も、恵子がこれまで目にしてきたどんなものともかけ離れていた。突然、仕事は予測可能なものではなくなり、彼女の胆力を試す試練となる。彼女は予期せぬ事態、自らの恐怖、そして職務を果たすためにどこまで踏み込めるのかという問いに向き合わなければならない。
奇妙な依頼として始まったものは、やがて生と死に対する彼女の見方の根幹を揺るがす経験へと変わっていく。