
古いお城のものがたり
完結古いお城のものがたり
時を忘れた古い城に、若い姫君がひとり、石壁に囲まれて暮らしていた。静寂に包まれた日々、彼女の耳に届くのは自分の足音のこだまと、誰もいない部屋を吹き抜ける風のささやきだけだった。城の廊下は冷たく、窓から差し込む光だけが、過ぎゆく時間を静かに告げていた。
ある日、謎めいた旅人が城にたどり着き、その存在が姫の単調な日々を破る。見知らぬ来訪者との出会いによって、それまで感じたことのなかった温もりが生まれ、二人の間には特別な絆が芽生えていく。
しかし、城とその住人たちの運命は、時が隠してきたある秘密に結びついていた。穏やかな時間が続くほど、その秘密は静かに影を落とし始める。