ふりだし
完結ふりだし
一人の若者があてもなく歩いているが、一歩ごとにつまずいてしまう。手に持ったコップは倒れるたびにひびが入り、彼は振り出しに戻ってやり直すことを余儀なくされる。終わりのない失敗の連鎖にとらわれ、彼は同じ道のりを何度も繰り返すが、明確な出口は見つからない。どの試みも同じ結末を迎える。ガラスは割れ、彼はまた最初から始めるのだ。
しかし、繰り返すたびに彼の内面では何かが変わっていく。過ちの反復が、これまで見過ごしていた細部を明らかにしていく。地面の感触、コップの重さ、バランスを崩すまさにその瞬間。少しずつ彼は理解していく。本当の旅は物理的な目的地へ向かうものではなく、自己認識へ向かうものなのだと。探し求める答えは、たどり着くことではなく、倒れては立ち上がるその過程そのものにある。
倒れてはやり直すこの踊りを通して、主人公は気づく。繰り返しは罰ではなく、ずっとそこにあったものを見つめる機会なのだと。ひびの入ったコップは彼自身のもろさを映す鏡となり、その道のりは忍耐の比喩となる。
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