エトピリカ~想いを紡ぐ鳥~
完結エトピリカ~想いを紡ぐ鳥~
南クリル諸島で幼少期を過ごした老女が、戦後の記憶を静かにたどる。彼女の回想を通して甦るのは、終戦直後の混乱のなかで家族とともに故郷を追われ、慣れ親しんだ土地と日々の営みを後にせざるを得なかった日々である。家を離れる朝の空気、船から見えた島影、家族の沈黙。そうした断片が、老女の胸の奥で今も鮮やかに息づいている。
本作は北方領土の元島民たちの証言をもとに、第二次世界大戦の終結によって祖国を失った人々の喪失と再生への思いを描く。主人公はやがて、エトピリカという鳥との出会いを思い出す。その鳥は、人と故郷を結ぶ絆の象徴として、彼女の記憶のなかを飛び続けている。
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