
エントツそうじの男の子
完結エントツそうじの男の子
孤独な少年は、産業の煙が空を覆う灰色の街で、毎日煙突掃除をして過ごしていた。彼の仕事は過酷で単調、街の人々は屋根の上で身をかがめる彼の姿に気づくことすらほとんどない。それでも少年は、その繰り返しの日々と、自分だけが見ることのできる高い場所からの景色——誰もいない通り、すすの雲、かすんだ地平線——に、不思議な安らぎを見出していた。
ある日、ひときわ高い煙突で作業をしていると、灰色の世界を破る思いがけないものを見つける。小さくても輝くその発見は、長い間眠っていた彼の好奇心を呼び覚ました。少年は、煙突と煙の向こうに何か別の世界があるのか、他人が汚したものを掃除するだけではない人生の意味があるのかを考え始める。
少しずつ彼の視線は空へと向かい、灰の層の向こうにずっと隠れていたかもしれない答えを探し求めるようになる。