Chichi to Ko
完結ジュリオは、父と二人で暮らす少年である。父は男手ひとつで彼を育てるため、休む間もなく働き続けていた。やがて過労から父の体調がすぐれなくなってきたことを心配したジュリオは、内緒で父を手伝うことを決意する。父が眠っている夜のうちに、封筒へ宛名を書き写すことで負担を軽くしようとしたのだ。たとえ自分の睡眠時間を削ってでも。
しかし、その無理が学校での生活に影を落とす。授業中は眠気に襲われ、成績は下がり、家族にも教師にも叱られるようになる。事情を知らない父は、ジュリオのやる気のなさを責めた。ジュリオは、本当のことを打ち明ければ手伝いをやめさせられてしまうのではないか、それとも父の体調が悪化していくのを見ながら叱られ続けるべきなのか、板挟みになって苦しむ。そんなある夜、一匹の猫が住所録を落としたことがきっかけで父が目を覚まし、ついに真実を知ることになる。