
バグバーグ
完結バグバーグ
薄暗い厨房で、一片の肉がゆっくりと切り分けられる。包丁が肉に沈み、裂け目が開くたびに、その内部から昆虫たちが静かに姿を現し、周囲へと這い出してくる。調理という日常的な行為は、次第に異様な光景へと変わり、見慣れた台所の空気が一変する。
切り口からあふれ出る虫たちは止まることを知らず、調理台の上を無秩序に動き回る。食材を整えるという当たり前の営みが、不快感と驚きに満ちた出来事へと姿を変え、日常の裏側に潜む不気味さをあらわにしていく。
何気ない家庭の一場面が、制御できない異変によって揺らぎ、親しみのある空間が不安を誘う舞台へと塗り替えられていく。