
BEACH
完結BEACH
男がベッドで安らかに眠っている。その上を、奇妙な白い煙がゆっくりと立ち上っていく。煙は形を変えながら漂い、夢幻的な情景が現実の部屋と溶け合っていく。やがて映像はループし、眠りと目覚め、夢と現実の境界がどこにあるのか分からなくなる。観る者はその曖昧な領域へと引き込まれ、知覚そのものが揺らぎ始める。
荘子の胡蝶の夢という哲学的パラドックスに着想を得たこの短編映像作品は、現実と想像の狭間を静かに探求する。作者が後に自身の祖父であると明かした眠り手の姿は、個人の記憶であると同時に、誰もが経験する意識の不思議さを映し出す。白い煙は思考や夢の象徴のようにも見え、見る者それぞれの内面へと問いを投げかける。