
バジリスク ~桜花忍法帖~
完結バジリスク ~桜花忍法帖~
伊賀と甲賀の忍びの間で繰り広げられた血で血を洗う争いから十年。弦之介と朧の悲劇的な別れで幕を閉じたあの戦いの記憶も遠い昔のように思われた寛永の世。見かけ上の平和の裏で、あの恋人たちの子であり、それぞれの血筋を受け継ぐ甲賀八郎と伊賀響が生を受けた。二人の若者は、自らの宿命と親の記憶を背負いながらも、その愛を育む道は開かれているかに見えた。
だが、平和は脆い。先の戦いの結末をめぐる相反する語りは、特に甲賀の陣営に与していた徳川忠長の心に、拭いがたい不満を残していた。平穏な時代の中で忍びたちが忘れ去られようとする一方、両家の間の緊張は、政略の陰謀に煽られて再び燃え上がる。歴史の重みと、現状に満足しない者たちの野望が、悲劇を繰り返し、八郎と響を引き裂こうとしていた。二人は新たな争いへと巻き込まれ、その絆と意志が試されることになる。
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